1985年にロバート・ゼメキス監督により制作された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』(原題: Back to the Future)は、30年後2015年の未来に行きますが、空には当たり前の様に「空飛ぶ車」が飛んでいました。
実際のところ2015年には、まだまだ映画の中だけだった「空飛ぶ車」。
今回は"【空飛ぶ車】 現在のロードマップは?『空を飛ぶって本当に可能なの?』"というテーマについて解説していきますね。
【空飛ぶ車】実現に向けたロードマップ
2022年3月18日、経済産業省は国土交通省と合同で「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップ(2018年)を改訂しました。
それにとりますと、
- 都市部での運航開始時期2030年代から→前倒しして2020年代後半以降にする。
- 機体や運航に関わる基準の整備に関して→要件を明確に示した。
- 30年代に飛行路線を全国で開通することを目指し、官民が一体となって取り組む。
という内容です。
もともと「空飛ぶ車」開発のきっかけは、2016年にUber社が99ページにわたるホワイトペーパーを発表し、具体的なビジネスモデルを提示した事。
以来、欧米や中国では「空飛ぶクルマ」の製品発表や飛行試験が相次ぎ、実用化に向けた取り組みが加速。
2018年、遅ればせながら参入した日本の「空飛ぶクルマ」。
ロードマップに従って巻き返しを図りたいところですね!
【空飛ぶ車】ロードマップの進行状況は?
それでは日本における「空飛ぶ車」はロードマップどおりに進んでいるのでしょうか?
2020年8月、 株式会社SkyDrive (スカイドライブ)がプロペラの付きの機体での有人飛行を成功させました。
現在、世界では約200社が「空飛ぶクルマ」の開発を進めていますが、有人によるテスト飛行を成功させているのはわずかに10社程度。
また、2018年に設立されたテトラ・アビエーション株式会社は、1人乗り用の空飛ぶクルマ「teTra」を開発。
そして、2020年2月に行われた1人乗り航空機の国際大会「GoFly」の決勝では、同大会で唯一の受賞者として知名度を挙げています。
日の丸テトラの空飛ぶクルマ、GoFly決勝で「唯一の受賞者」! https://t.co/7lx0HSWHWM @jidountenlab #空飛ぶクルマ #teTra #GoFly
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 5, 2020
【SkyDrive 福澤 代表】
空が日常的に走れるように気軽に移動できるような感じの世界を目指しています。実際に万博会場で乗ってもらい、見てもらうことで、将来どんな世界が広がるのかを実現できたらいい。2025年の万博の時に「空飛ぶクルマ」のサービスを開始できるよう開発を進めています
掲出先:関西テレビ「報道ランナー」2022年4月7(木)
【空飛ぶ車】飛行の仕組み
【空飛ぶ車】の飛行の仕組みとしては、マルチコプター型と固定翼付き型で違います。
バッテリーをを動力源とし、3枚以上の複数のローター(回転翼)を同時にバランスよく回転させることによって飛行する仕組み。上昇・下降はローターの回転速度(回転数)の増減によって行い、前進・後進・旋回などは、各ローターの回転数に差をつけ、機体を傾けることで行います。政府が2030年代の本格導入を目指す「空飛ぶクルマ」の主流になると言われていeVTOL(イーブイトール)もこの型。固定翼付き型
エンジンを搭載し、機体が前進することによって揚力を発生させ飛行します。
道路走行時は翼を格納するタイプが多い。
♦ eVTOL(イーブイトール)とは?
・垂直に離着陸し、ドローン、小型飛行機の特徴を併せ持つ電動の機体。
・空飛ぶクルマの主流になると言われている。
・滑走路が不要で騒音が少ないのが特徴。
・駆動時に温暖化ガスを出さず、整備コストがヘリコプターと比べ安い。
出典:日本経済新聞:(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC093LX0Z00C21A7000000/)
【空飛ぶ車】トヨタ自動車が開発に参戦
2020年トヨタ自動車はeVTOLを開発する米スタートアップのJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)に出資(3.94億ドル)し、協業することに合意しています。
そして、最終的には、高い品質、信頼性、安全性、そして厳しいコスト基準を満たすeVTOLの量産化を実現するとの事です。
http://www.jobyaviation.com/2009年設立。本社は米国カリフォルニア州サンタクルーズ。eVTOLの開発に取り組み、将来は空飛ぶタクシーサービスの提供を目指す。CEOは創業者でもあるジョーベン・ビバート氏。
【空飛ぶ車】ホンダが開発に参戦
ホンダは2021年9月30日「eVTOL」の開発に着手したと発表!
2023年くらいに米国で試験飛行に着手し、25年くらいに事業化の可否を判断したいとの事。
改善点としては、現状の航続距離がまだ100km以下なので、航空機の「Honda Jet」で培ったガスタービン技術を活かしたハイブリッド方式により、航続距離は約400km、最高速度は270km/h以上を目指しているのだそう。
全ての課題を克服して事業化が決まれば、直ちに米国での認定取得手続きに入り、30年代には世界規模での事業化、50年代には30兆円規模の市場が想定されています。
【空飛ぶ車】実用化にむけての今後の課題は?
♢100%以上の安全性を確保し不安解消を!
- 機体の安全性、
- 自動操縦の安全性、
- トラブル発生時の対策
上記1~3はあるアンケートでの「空飛ぶ車」の不安に思う事で上位を占めた回答です。
また、このアンケートで「空飛ぶ車」の試乗をしたいか?と尋ねたところ、「試乗したい」が、37%でした。
【リリース】我が国初となる空飛ぶクルマの型式証明申請を、本日10月29日に受け付けました。
今後、開発の進捗に合わせて、航空機の安全性及び環境適合性に係る審査を適切に進めることとしております。#空飛ぶクルマ #国土交通省https://t.co/VCk5pViwS4— 国土交通省 (@MLIT_JAPAN) October 29, 2021
あつてはならない事だけに「空飛ぶ車」の安全性については何よりも重視して、不安材料を一つ一つ解消していく事が一番の課題です。
【空飛ぶ車】目指す未来はどんな世界?
現在、100年に1度といわれる変革期を迎えた自動車産業。
そして、eVTOLの自律飛行が可能になる2050年頃にはこんな事が普通になります。
「OK。残りは来週そちらに行ったときに決めれば大丈夫そうですね」。
こう言って会議を締めくくろうとするとドバイの顧客が声をかけた。
「お見えになるときは空飛ぶタクシーで空港に迎えに行きますので、到着時間を教えてくださいね」
来月はニューヨークへの出張だ。
ロケットの技術を応用した超高速輸送サービスを使えば東京から1時間足らず。
かつては機中で1泊していたのが信じられないほどの速さで、日帰りも可能になった。
掲出先:日本経済新聞:2017年11月20日
【空飛ぶ車】まとめ
ここまで”【空飛ぶ車】 ロードマップと機体の仕組み・安全性はどうですか?”というテーマで解説してきました。
- 経済産業省が国土交通省と合同で「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップを改訂した。
- 世界で約200社が「空飛ぶクルマ」の開発を進めているが、有人によるテスト飛行を成功させているのは10社しかいない。
- 日本ではSkyDrive社が有人によるテスト飛行を成功させている。
- 更にスカイドライブ社では、現在2025年の大阪・関西万博での空飛ぶクルマをタクシーとして活用することを目指している。
- 【空飛ぶ車】の仕組みはマルチコプター型と固定翼付き型で違う。政府が本格導入を目指すeVTOL(イーブイトール)はマルチコプター型。
- トヨタ自動車やホンダが開発に参戦し技術
- 実用化にむけての課題は100%以上の安全性を確保し不安解消を図る事
- 2030年には自動運転やシェアリングがより現実的になり、空飛ぶ車や宇宙旅行の実現といった「空の交通革命」がより加速して行く。
日本のものづくりが、1985年の頃の様に再び世界をリードし『メイドインジャパンは最高だぜ!』と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ・マクフライに言わしてみたいですね!
最後まで読んで下さりありがとうございました。